西の風 上枝揺らし 突き上げる 白波の海 低く吠える
昨日はことのほか風の強い日であり、同じマンションの住人から西側の北風は冷たくてやりきれないと話しかけられた。俗にいうビル風で冬の日は、確かに昼も夜も難儀する。
さて平磯緑地。ともかくここもすごい風であった。元になった1首は次の通り。
枝揺れる 激しく煽られ 千切れそう また西の風 海も大荒れ
「また」がどうしようもなく凡庸である。主だった言葉は「西の風」なので、置く位置を変え。前に持ってくることにする。
実際心動かされた揺れていた枝というのは、木の上の方の枝だったので、直裁に「上枝」にかえる。
それにしてもある日の情景を切り取った平凡な一首と言える。しかし、どちらかと言えば、この傾向の短歌に傾きがちになる。間断なく続く情景はどんどん流れ、そしてあっけなく消えていく。だからこそその一瞬を切り取りたい。できれば正確に。
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