欲しいもの 何もないのは いつからか 色々整理 し始めた頃



  同年輩者と話していると、いつも同じ話題になってしまう。孫の話か病気の話それに年金の話。たまに毛色がかわったかと思えば、何も欲しいものがないと嘆きだすのだ。

 何も欲しいものがないというのは充足していて、問題がないとも評価できそうだが、そうとばかりも言えない。欲しいものがないというのは、生きる意欲が減退しているのと同じようなのだ。彼にとって生きるということは欲しいものを手に入れることそのものだったのだろう。実にわかりやすい。

 それは何だったのだろうか。時計だったのか、万年筆だったのか、海外旅行か。全て正解のクイズみたいなものだろう。車だっただろうし、もちろん家だっただろう。ゴルフの会員権も入るだろう。

 それらの欲求が全て消えてしまった。(既に手に入れたかもしれない。)

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