水面下(みなもした) 鴨が必死に 水を掻く 少し冷たい 川辺の和風
「キャッチ」という番組があり、そのファンなのだが、その中でニューヨーク在住の日本語(関西弁)堪能なジャーナリストから、ウクライナに物資を送るボランテイアに関する報道がなされた。毎日10時間以上休みなしに物資の運搬業務に従事している男性や時には老人を見ると、涙が止まらない、とボランテイアのリーダーが語っていた。
東京のN局の女性アナウンサーが、原稿に載っていないアドリブかのように、あっけらかんと関西弁ジャーナリストに、「現地で何か困っていることがありますか。」と爽やかに聞いた。
ジャーナリストは一瞬動きをやめた。時が止まった。私も固まった。
何千キロも離れてはいたが、二人は多分同じことを言葉を出さずに言った。「この十数分間のボランテイアリーダーの話を聞いていなかったのか‼︎」
この女性アナは、ボランテイアリーダーの気持ちになって考える何の想像力もなく、今の世の中でトップレベルの問題についての何の意識もなく、自分では気を効かして聞いたことは明らかだった。視聴者に誉められると考えていたかもしれない。
毎日10時間以上働いているのは人手が足りないからだろう。まさか自らを鍛える荒行をやっているとでも思っていたのか。一方連日連夜報道される彼の地の凄まじい破壊状況からすれば、必要な物資はありとあらゆる領域に及びその量も想像すらできない。いくら送っても十分ということは少なくとも当面はないだろう。
人出も、物資も、資金も足りないことは、報道から見て火を見るより明らかだ。情報の上っ面だけを追って、想像力を働かせないから、あっと息を呑むような質問をするのだ。
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