ひょこひょこ ハクセキレイ 首突き出し スリムダンディ 歩いては跳ぶ
世界には二種類の人がいるそうだ。「カラマーゾフの兄弟」を読んだ人と読んでない人。陳腐な表現ながら、この小説の大切さを表しているのだろう。ちなみに圧倒的に後者が多いと思うが。
評論されることも多く、父子の葛藤だとか国家との相克だとかの類が多いようだ。それはさておき、小説の中で描かれるロシア社会のまず感じるのが重苦しさだ。自堕落な酔っ払いも目を引く。(ソビエト・ロシアの頃モスクワ近郊を歩いたことがあった。駅前には終日にもかかわらず酒に溺れた人が当たり前のようにいた。観光地であるモスクワでは見れない光景であった。ロシアは帝政から共産党支配そして現在とずっと開かれた世界ではなかった。)そして世を覆う不条理だ。もちろんこの不条理はロシア特有のものではない。ただこの不条理が極端に典型的な形で存在しているのではなかろうか。
ドストエフスキーの思いが解りやすいの小説は、「白痴」だろう。荒んだこの社会に純真無垢な「白痴」を登場させたらどうなるだろうか。存在しないから興味が尽きない。
この「白痴」を「現代人」と置き換えたら、今をきっと解き明かしてくれる。
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