軽く歩く 木漏れ日の中 アスファルト マダラ模様 癒し催す
セイヨウミヤコグサ
昭和20年代中盤の話。今から70年くらい前のことだ。場所はシベリアの強制収容所。そこのあるグループに日本人は一人だけだった。そのグループの警備隊長が不在時にソリの合わない警備隊員が独断で、何もするなとの隊長の指示を破って、その日本人に川を渡って対岸のボートを取ってくるようにと命じた。日本人はほぼ自発的に応じた。収容所はその川を渡るのは危険だとして、渡ることを厳に禁じていた。渡り始めて川の中央付近に来た時、その日本人の前に数発の弾丸が飛んできた。警備隊長が帰ってきて放ったものだった。川から上がってきた日本人は警備隊長に銃床で殴られた。脱走を試みたと判断され営倉に入れられた。その日本人も他の被収容者も警備隊員もその間の事情を隊長に話さなかったようだった。そのあと警備隊長が尋ねた。「お前はウクライナ人か。」ちなみに警備隊長はウクライナ人、警備員はロシア人。警備隊長が人種的にウクライナ人と判断するわけがない。心情的にお前はウクライナ人だ、と言ったわけだろう。では何がそう判断させたのか?命懸けの任務をほぼ自発的に行おうとしたことか?警備隊長に露見した後も一切言い訳しなかったことか?
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