烟る浜 そぼ降る雨の 中学生 端から端に 鞄抱えて




                ムラサキクンシラン
 


 雨の浜辺に人影はない。そこを一人の中学生が歩いていく。行手には浜辺しかない。つまり家はないのだ。雨でも一人で浜辺を歩きたかった。

 浜辺は晴れた日にも風の強い日にも歩きたくなる場所である。大海に通ずる水があり、なぜか動いている。

 車窓からその中学生を眺めている。時空を超えて、自らを眺めているようだ。



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