久々の 陽光眩し 夏の空 椋鳥騒ぎ 電線見上げ
ギンバイカ
同定という作業がある。目の前にある樹木が、花が、本の中のどれに当たるかを確認する作業。手っ取り早く言えば、名前を探す作業だ。対象となる樹木の情報を集めるだけ集め、その情報を本の中の名前と照合する。今まで難儀したのは二つだ。シンジュとギンバイカ。
シンジュは何処にでもあった。生命力旺盛で何処にでも飛んでいって根付いた。成長の速さを見込まれたこともあるし、疎まれたこともある。例えば電線の下に植えたとすると、成長してすぐに電線を突き上げ弊害を生じた。場合によっては樹木部分が電線部分を巻き込んで成長してしまうということもあった。成長の早いが故に脆かった。ある時あまりに同定がうまくいかないものだから、街路樹としてある枝を取ってこようと考えた。思い切り跳んで枝先を掴んだら、かなりの量の枝部分がどさっと落ちてきた。通行人もいたし、これはまずいと妻と一目散に逃げたこともある。
一方ギンバイカはほとんど情報がなかった。存在したのは平磯緑地の東端の展望所だけ。
通常葉を調べる。大きさ。厚さ。鋸歯か全縁か。一斉に落葉するかバラバラに落葉するか。匂いはあるか。棘はあるか。次に花を調べる。花弁の色。雄蕊の色。花の大きさ。花の咲く時期。花の匂い。次に樹皮を見る。何か特色はあるか。場合によっては数年越しにわたって観察する。
わかる時はあっけない。シンジュの場合、大きな葉の下部に特色ある切れ込みがあることがわかった。ギンバイカの場合は、自力での同定を諦めた。全くお手上げだった。そこで頼ったのがITだ。スマホの有料アプリで撮影すると同定してくれるのを見つけて、試してみた。一瞬だった。
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