友がいない 訴える叔父 憔悴す 理由は分かれど 何を今更
何かの折に何気なくポツリと漏らした一言。「俺には友達がいない。なぜだ。」それを聞いて唖然とし、そして黙った。理由が分かっていたのに黙り込んだこの身も、やはり友達とはいえない。
何度訪れてももてなしは一切なく、小さな気遣いもなかった。訪問者の方が気を効かして食事に誘っても、それも応じることはなかった。
訪れたことのある人に聞いたら、同じような対応だったようで、呆れて帰っていく人もあったらしい。
30年前に亡くなった奥さんを知っている。気配り心配り満点の社交家でしかも美人だった。会社の人間関係も近所付き合いも親戚付き合いも全て彼女が上手く回していた。
全ては彼女が担っていた。
彼女がいなくなって名実ともに寂しい晩年となった。
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