持将棋・・持世界

 

 棋聖戦第一局は引き分けとなった。藤井ファンからすれば勝つのが当たり前となっており、そろそろ冷や水を浴びせかけられる頃と覚悟していたから、この程度で済んでホッとしたというところだろうか。終盤まで押し気味に進めていたことからすれば、この結果は残念との向きもある。

 試合後たまたま羽生九段と思しき人物が現れる映画を見た。確かにあの頃は神秘的な人物と思われていた。主人公の青年がそのうちに打ち負かせてやろうと意気を燃え上がらせる想定なのだが、今やそんな年齢の青年が世界を実際に制覇している。神秘性はない。あの頃は奥深いえもしれない世界と思われていたが、藤井八冠のお陰で全てが見通せる世界に変わった。

 でもどうだろうか。勝負の深淵さ奥深さは変わらないのではないだろうか。藤井八冠がそうでない様に見せているだけなのかもしれない。ライバルのいない世界は孤独で、しかも実りも少ないかもしれない。早くそれらしき人物が現れてほしい。


       人の上 立つ人ゆえに 焦らずに 周りに目配せ 優しさ通し


       


コメント

このブログの人気の投稿

挨拶ハガキ

捨てるに捨てられない