その昔「人あらず」

 



         人あらず 桜花の小径 カラス鳴く


 2020年の春はこうだった。なせ「あらず」なんだと問うた人がいた。それには答えなかった。俳句にしろ短歌にしろ説明しだしたらおしまいだと言う意識があった。でもこういうことだった。「あらず」の主体は物だ。賑やかなことが定番の桜見物風景。そんな画面から今は「人」だけがものの見事に欠落している。その喪失感を表しているのが「あらず」だった。



コメント

このブログの人気の投稿

挨拶ハガキ

捨てるに捨てられない