嘘
認知症患者は平気で「嘘」をつく。晩御飯はどうしてるの?「近くのスーパーで惣菜を買っている。」トイレに行くのにも難儀しているのに、どうしてスーパーまで行けるの?今から行ってみよううか?
自分としては自分で買いに行ってたと思っていた。だから「嘘」とは言えない。こうして理詰めで問われると、自分で買いに行ったと言うのは、無理筋で、「そうだ娘が買ってきてくれた。」と正解に至る。
話がこのように円滑に進行することは少ない。自己の過去認識が結構強烈だからだ。そうしてもう一つ問題がある。結局彼はこのやり取りを記憶できない。次回同じような質問をすれば、「近くのスーパーで惣菜を買っている。」と言う答えが返ってくる。
次が本題だ。このような状況下無駄と分かっても、同じように話しかけ、間違いを訂正すべきなのだろうか。自分で買ってきたと言えば、そうかそうか、と答えるべきなのだろうか。
答えは比較的はっきりしている。その場その場では、真摯に話すべきだろう。間違いは間違いと指摘するのが筋だ。それでなければ1対1の大人の会話とは言えない。ただ残念ながらそのやりとりが記憶されないと言うだけだ。
枝切りで 空が開いた いつもの森 見紛うばかり 一際慄然
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