大人の童話



 壬生義士伝。主人公吉村貫一郎。新撰組の戦いの終盤、苦戦を強いられる京都から大阪への引き上げ。 二日間何も口にしていない隊士に、貫一郎がおにぎりを手渡す。隊士は一気に喰らう。そのあと「これは一体どうした?」「何個かもらってきて、若い隊士に配ってきた。今のが最後の一個。」「なぜ自分でくわなんだ!」貫一郎、その隊士の頬に残った一粒の飯を口にして、「これで満腹でござんす。」

 あり得ない話ではある。童話かもしれない。


     起き掛けの 浴槽鎮座 瞑黙す ほんの少しずつ 覚醒し行く


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